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【一級建築士 学科Ⅴ】施工計画と工程表|14年の過去問で「並行して承認」は2回とも×・提出と承諾の違い

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【一級建築士 学科Ⅴ】施工計画と工程表|14年の過去問で「並行して承認」は2回とも×・提出と承諾の違い

一級建築士・学科Ⅴ(施工)の1問目によく出る、施工計画と工程表です。工程表とは、どの工事をいつからいつまでやるかを並べた、工事のスケジュール表のことです。施工は25問で足切りは13点。最初の1問を確実に取れると、気持ちが楽になります。

動画でも解説しています。

この記事でわかること

  • ネットワーク工程表は、14年で同じ1文だけ
  • 毎年問われるのは書類の手順
  • 「並行して承認」は2回とも誤り
  • クレーンとエレベーターの法令の数字

何を調べたか

  • 問題:平成25年〜令和8年の学科Ⅴ(施工)14年分
  • No.1が「施工計画」だった年は9回・36肢
  • 施工の全1,400肢を「工程」「ネットワーク」で検索
  • 手順は公共建築工事標準仕様書(令和7年版)で確認

① ネットワークは同じ1文だけ

ネットワーク工程表を扱った選択肢は、14年でたった2つ。平成26年と令和4年のほぼ同じ文で、どちらも正しい肢でした。日数を計算させる問題は一度も出ていません。バーチャートや山積みという言葉も出てきませんでした。

トータルフロートとクリティカルパス

5つの作業をつないだ例です。矢印が作業、丸がつなぎ目です。

  • 上のルート(A→C→E):3日+6日+3日=12日
  • 下のルート(B・D):合わせて7日。Cが終わる9日目までに終われば全体は遅れない

トータルフロートとは、工期全体を遅らせずに、その作業が遅れてもよい余裕の日数のことです。下のルートは2日まで遅れても大丈夫で、待ち合わせに早く着きすぎた友だちが寄り道できる時間のようなものです。クリティカルパスとは、余裕がいちばん少ない(ゼロの)作業のつながりのことで、1日遅れると工期全体が1日延びるので、重点的に管理します。過去問の正しい肢は、このことを言っています。

② 問われるのは書類の手順

書類ごとの「いつまでに」と「提出か承諾か」

工事の書類ごとに、いつまでに作って、監理者に提出するのか、承諾を受けるのかをまとめた表です。監理者とは、建築主の側に立って、工事が図面どおりかを確かめる人です。

  • 提出:渡すだけ(旅行のしおりを家族に配る)
  • 承諾:中身を見て、オーケーをもらう(行き先の変更に親の許可をもらう)

標準仕様書の言葉を確認します。

  • 実施工程表:工事の着手に先立ち作成し、承諾
  • 変更:直ちに変更し、当該部分の施工に先立ち承諾
  • 総合施工計画書・工種別施工計画書:提出
  • 品質計画に係る部分:承諾
  • 施工図:承諾

③ 14年で4回:実施工程表の変更

  • 平成27年・令和元年:変更部分の工事と並行して承認した → 2回とも誤り
  • 令和4年・令和8年:その部分の施工に先立って承諾した → 2回とも正しい

誤りの肢には「施工に支障がないように」という、もっともらしい理由が付いています。家の間取りの変更を、大工さんが工事を進めながらあとで施主に見せるのは困ります。変える前に見てもらうのが順番です。

承認の対象にならないもの

  • 設計図書に指定のない仮設物(足場や囲いなど、工事のあいだだけ置くもの)は、監理者の承認の対象外(令和7年)
  • 近隣の安全のための仮設計画は、決まりがなければ施工者の責任で決める(平成27年・令和3年)

④ 誰の責任で決めるか

専門工事業者を選ぶのは施工者

専門工事業者とは、鉄筋や防水など、それぞれの工事を受け持つ会社のことです。14年で3回出ていて、選ぶのは施工者の責任です。

  • 監理者の責任で選んだ → 誤り
  • 設計図書に候補があるのに、候補にない会社を選べる → 誤り
  • 候補がなければ、監理者と協議したうえで施工者の責任で選ぶ

この整理は3問の正答から読み取ったもので、根拠となる約款の条文までは確認していません。

埋蔵文化財が出たら

令和8年、工事中に埋蔵文化財(土の中の遺跡や遺物)が見つかった場面で、「監理者が書面で工事の一時中止を命じた」という肢が誤りでした。標準仕様書では、施工者はまず直ちに状況を報告し、その後は指示に従う、と定めています。誰が一時中止を命じるかは標準仕様書に書かれていないので、ここでは「正答で誤りとされた」という事実にとどめます。

⑤ 法令で決まっている数字

クレーンの点検(クレーン則37条)

  • 瞬間風速毎秒30mを超える風の後
  • 中震以上の地震の後
  • → 作業の前に各部分を点検

平成28年の「中震(震度4)なら点検を省略できる」は誤りです。中震以上なので、震度4そのものも点検が必要です。

本設エレベーターを工事に使う

  • 積載荷重1トン以上は、労働安全衛生法の「特定機械等」
  • エレベーター設置届を労働基準監督署長へ
  • 労働基準監督署長の落成検査に合格してから使う

平成26年の「設置報告書で足りる」は誤り(設置報告書は1トン未満のもの)。令和7年の「監理者の検査に合格すれば使える」も誤り(検査をするのは労働基準監督署長)。同じ1トンのエレベーターで、届の種類と検査する人をずらして出しています。

まとめ

  • ネットワーク:トータルフロート最小=クリティカルパス
  • 実施工程表の変更:施工に先立ち承諾(並行は誤り)
  • 提出:2つの施工計画書/承諾:工程表・品質計画・施工図
  • 専門工事業者:施工者の責任で選ぶ
  • クレーン:中震以上・毎秒30m超で点検
  • エレベーター:1トン以上は労働基準監督署長の落成検査

出典

この記事は公表資料をもとにした個人の学習ノートです。問題文は要約しており、問題の分類は筆者の判断です。専門工事業者の選定の整理は過去問の正答から読み取ったもので、根拠となる約款の条文までは確認していません。正確な内容は必ず原典をご確認ください。