【一級建築士 製図】本番6時間30分の動き方|時間配分・エスキスの撤退ルール・見直しの順番(課題「ホテル」)
公開:約5分で読めます
この記事には広告(PR)を含みます

令和8年10月11日の一級建築士・設計製図の試験(課題「ホテル」)に向けて、法令ではなく時間の使い方に絞った回の記事版です。法令の直前チェックは前回の記事にまとめています。
動画でも解説しています。
この記事でわかること
- 6時間30分の時間配分の目安
- エスキスの撤退ルール
- 時間が押したときの描き方と、計画の要点の書き方の型
- 最後の20分の見直しの順番
時間切れは、そのまま致命傷になる

令和7年の採点結果は、合格のランクIが35%、ランクIIは1.6%、ランクIIIとランクIVを合わせて63.4%でした。落ちるときは大きく落ちています。
ランクIVの型のうち、要求図書が完成していない、計画の要点が書かれていないの2つは、知識ではなく時間の問題です。時間の使い方を決めておくだけで、一発で終わる落ち方をふたつ消せます。
時間配分の全体像

試験は11時から17時30分まで。これを5つに分けます。
- 11:00〜11:30:課題文を読んで条件を整理(30分)。法令集のチェックが試験開始後にあるので、その時間も含める
- 11:30〜13:30:エスキス(2時間)
- 13:30〜16:30:作図(3時間)
- 16:30〜17:10:計画の要点の記述(40分)
- 17:10〜17:30:見直し(20分)
これはあくまで目安です。大事なのは、自分の練習の実績からこの区切りを当日の前に決めておくことです。
区切りは「時刻」で決めておく
区切りは「エスキス2時間」ではなく、「13時30分まで」という時刻で決めます。本番は緊張していて、何分使ったかを計算する余裕がありません。時計を見て、時刻を過ぎていたら次へ進む。それだけで済むように、問題用紙の余白か時計の横に、区切りの時刻をメモしておきます。
序盤:課題文を読む(〜11時30分)

課題文は、情報の種類ごとに印を付けて仕分けます。要求室と床面積、階の指定、敷地と法令の条件、既存建築物の扱い、留意事項。色を決めておくと、エスキスの途中で条件を探し直す時間が減ります。
読み落としやすいところは4つです。
- 「〜とする」と「〜程度」の違い(指定か目安か)
- 床面積の許容範囲(±10%など)
- 階の指定・隣接や近接の指定
- 既存建築物を「どう残すか」の条件
どれも読み落とすと、ランクIVの「要求室の欠落・階の指定違反・床面積の不適合」に直結します。
エスキス:撤退ルール(〜13時30分)
エスキスは、考えるほどよい案が見えてくる気がするので、気づくと時間が消えています。迷ったときにどうするかを、当日の前に決めておきます。

撤退ルールとは、区切りの時刻になったら、そのとき手元にある案で確定して次へ進むための、あらかじめ決めた判断の手順のことです。
- 区切りの時刻で、確認するのは3つだけ:要求室が全部入っているか・階の指定を守っているか・法令の条件を満たしているか
- 3つとも満たしていれば、その案で確定して作図に入る
- 満たしていないものがあれば、そこだけを直す。延長は最大15分
- 15分たっても直らなければ、いちばん影響の小さいところで割り切って作図に入る
練習では、よりよい案を追いかけるのが正解でした。でも本番では、100点の案を探して未完成になるより、条件を満たした70点の案で全部描き切るほうが生き残ります。
作図:描く順番(〜16時30分)

作図は、1階平面図・配置図から始めて、各階平面図、断面図、面積表の順に進めるのが基本です。それぞれの図に終わりの時刻を決めておきます。1階を丁寧に描きすぎて断面図が白紙、というのが典型的な未完成のパターンです。
時間が押したら
後回しにしてよいもの:
- 家具・植栽・仕上げの表現、ハッチング
削ってはいけないもの:
- 要求室の室名と面積、主要な寸法
- 階段・エレベーターの位置
- 断面の高さ寸法と、斜線の検討線
- 面積表と、計画の要点の記述欄
高さ制限は、満たしているだけでなく断面図に書いて示すことが求められます。時間がなくても残します。
計画の要点(〜17時10分)
「計画の要点等」が無記載、または答えになっていないのは、ランクIVの型のひとつです。時間がなければ1行でもかまいません。空欄だけは作らない。エスキスが確定した時点で、記述の骨子を一言ずつメモしておくと、ここで手が止まりません。

書き方の型は1つだけ持っておきます。
- 問いに対する結論を一文で書く
- なぜそうしたのか、理由を書く
- それが図面のどこに表れているか(図)を書く
図を描く欄がある設問なら、簡単な図を添えると伝わる情報が一気に増えます。
最後の20分:見直しの順番

20分で図面のすべては確かめられません。時間が足りなくなる前提で、致命傷が大きい順に見ます。
- 要求室が全部描かれているか
- 階の指定どおりか
- 面積表の数字が図面と合っているか
- 高さ制限と延焼のおそれのある部分が、図面に示されているか
- 室名や寸法の書き漏れがないか
途中で時間切れになっても、上のほうから見ていれば致命傷は残りません。
まとめ
- 区切りは時刻で決めて、時計の横にメモ
- エスキスは要求室・階の指定・法令の3つを満たせば確定。延長は最大15分
- 70点の案で、全部描き切る
- 記述は空けない。結論 → 理由 → 図
- 見直しは致命傷が大きい順
出典
この記事の時間配分・撤退ルールは筆者の目安で、公式の基準ではありません。ご自身の練習の実績にあわせて調整してください。試験の実施方法・携行品の扱いは、受験票と受験総合案内の記載を必ず優先してください。


