一級建築士

一級建築士 学科試験の全体像|5科目125問・足切りと合格点・時間割・法令の基準日【令和9年受験】

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一級建築士 学科試験の全体像|5科目125問・足切りと合格点・時間割・法令の基準日【令和9年受験】

令和9年の一級建築士・学科試験に向けた解説シリーズの第1回です。何が、何問、何時間で出て、何点取れば受かるのか。国土交通省と建築技術教育普及センターの公表資料をもとに整理します。

動画でも解説しています。

この記事でわかること

  • 5科目・125問の中身と、見落としやすい出題範囲
  • 1日の時間割と、法令集のルール
  • 合格のしくみ:足切りと総得点の二重チェック
  • 法規はいつの法令で解くのか
一級建築士試験は学科と設計製図の二段構え

一級建築士試験は「学科の試験」と「設計製図の試験」の二段構えです。学科に受からないと、製図の試験は受けられません。この記事は、最初の関門である学科の試験を対象にしています。

試験の根拠:建築士法12条・13条

建築士法12条では、建築士試験は「設計及び工事監理に必要な知識及び技能」について行う、とされています。13条では、試験は毎年少なくとも1回、一級建築士試験は国土交通大臣が行う、と決められています。

実際の事務は、法律で指定された試験機関である建築技術教育普及センターが行っています。問題・正答・合格基準は、毎年センターのサイトで公表されます。

5科目・125問の中身

5科目・125問を1日で解く

一級建築士の学科試験は、5科目・125問を1日で解く四肢択一の試験です。1問1点で、125点満点です。

  • 計画:20問(足切り11点)
  • 環境・設備:20問(足切り11点)
  • 法規:30問(足切り16点)
  • 構造:30問(足切り16点)
  • 施工:25問(足切り13点)

足切りは、どれも問題数の過半です。

見落としやすい出題範囲

見落としやすい出題範囲
  • 建築積算は「計画」:お金の計算なので施工の話と思いがちですが、受験要領の区分では計画の出題範囲に入っています。
  • 法規には告示も入る:法律と政令だけでなく、告示も含まれると明記されています。

時間割と法令集のルール

3つの枠に分けて解く(令和8年)

令和8年の時間割は、3つの枠に分かれていました。

  • 午前 9:40〜(2時間):計画・環境設備の40問
  • 昼 12:55〜(1時間45分):法規の30問
  • 午後 15:15〜(2時間45分):構造・施工の55問

科目ごとに時間が決まっているのではなく、2科目をまとめた枠の中で配分を自分で決めます。1問あたりはだいたい3分、法規は3分半です。構造の計算問題に時間をかけるぶん、施工を速く解く、といった組み立てが必要になります。

法令集は法規の時間だけ
  • 法令集は、法規を解くときに限って2冊まで持ち込めます(追録や訂正表などは追加で使えます)
  • 昼休みの12:10〜12:40に、法令集のチェックがあります
  • 午前の計画・環境設備を欠席すると、法規から後の科目は受けられません
  • 令和8年からは、設計製図の試験でも法令集が使えるようになりました

合格のしくみ:足切りと総得点の二重チェック

足切りと総得点の二重チェック

足切りとは、科目ごとに決められた合格基準点のことで、1科目でも届かないと総得点に関係なく不合格になります。

合格するには、次の2つを両方満たす必要があります。

  1. 5科目すべてで、科目ごとの合格基準点(足切り)に達する
  2. 総得点が合格基準点に達する

センターは毎年、各科目は過半の得点、総得点はおおむね90点程度を基本的な水準として想定し、その年の難しさに応じて調整している、と説明しています。

総得点の合格基準点は87〜94点で動く

総得点の合格基準点の推移(令和3年〜令和8年)

総得点の合格基準点は、令和3年から順に87点、91点、88点、92点、88点、令和8年は94点でした。一方、科目ごとの足切りはほとんど動きません。下がったのは、令和3年の計画が10点になった1回だけです。

やさしい年なら受かりやすい?

やさしい年なら受かりやすいとは限らない

問題がやさしい年は、みんなの点数が上がるので、合格基準点も上がります。難しかった令和7年は88点、やさしかった令和8年は94点でした。合格率は上がっても、求められる点数も上がります。

足切りぎりぎりでは届かない

足切りぎりぎりでは届かない

足切りをぎりぎりで全部そろえると、11+11+16+16+13=67点です。総得点の基本の水準はおおむね90点なので、20点以上足りません。

学科は、苦手科目を足切りで逃げ切り、得意科目で稼ぐ試験です。どの科目も過半は必須で、そのうえで全体の7割強を取りにいく必要があります。

なお令和8年は、法規の1問が「正答肢なし」として受験者全員に得点が与えられました。公表された正答が後から変わることもあるので、過去問を解くときは、センターの正答と合格基準の資料で確かめるのが確実です。

法規はいつの法令で解く?

試験年の1月1日に施行されている法令

法令の基準日とは、法規の解答に使う法令を決める日のことで、一級建築士の学科試験ではその年の1月1日です。受験要領には、適用すべき法令は「その年の1月1日現在において施行されているもの」と書かれています。

  • 令和9年の試験なら、例年どおりであれば2027年1月1日時点の法令が基準
  • 公布されていても、1月1日の時点でまだ施行されていない改正は対象外
  • 前の年のうちに施行された改正は、その年の試験から出る可能性がある

確定は、令和9年の受験要領で確かめてください。

受験資格と学科の免除

実務経験は登録の要件に移った

受験資格は建築士法14条で、大学などで指定科目を修めて卒業した人、二級建築士、これらと同等以上と認められる人です。令和2年3月に施行された改正で、それまで受験の要件だった実務経験は免許登録の要件に移りました。そのため今は、卒業してすぐに受験できます。

学科に合格すると、その後の一定回数は学科が免除され、製図から受けられます。令和8年の対象は、令和4年以降の学科合格者で、合格した年から令和7年までの製図の受験回数が2回以内の人でした(欠席は回数に数えません)。

まとめ

  • 学科は計画20・環境設備20・法規30・構造30・施工25=125問
  • 時間は2時間/1時間45分/2時間45分の3枠
  • 足切りは11・11・16・16・13点(過半)、合計67点
  • 総得点はおおむね90点が基本、87〜94点で動く
  • 法規は試験年の1月1日時点で施行されている法令で解く

出典

この記事は、令和3年〜令和8年の公表資料と令和8年の受験要領をもとにした個人の学習ノートです。令和9年の日程・時間割・免除の条件は、令和9年の受験要領(例年3月ごろ公表)で必ずご確認ください。